新たな経験の先にみえてくるもの(柴田 花音さん)
柴田 花音さん/Ms. Canon Shibata
(専攻楽器チェロ/cello)
[ 2024.08.23 ]
ノースウェスタン大学ビーネン音楽院
ロームミュージックファンデーション奨学生の柴田花音です。
日頃より多大なる御支援賜り心より感謝申し上げます。
<「ガラミアン・スタジオ」にてカルテットの仲間達、コーチのJanet先生と。>
今夏はアメリカにてメドマウント・スクール・オブ・ミュージックへ初参加して参りました。
本サマースクールは有名な巨匠バイオリニスト「イヴァン・ガラミアン」が創設した弦楽器のための「アメリカで最も過酷なサマースクール」と呼ばれています。
「山修行」という噂通り現地には電波も来ておらず、水や電気の供給も限られており、シャワーは5分などといった細かいルールが定められていました。
食事時間や練習時間など1日のスケジュールも厳しく管理されており、まさに修行といった感じです。
私は日頃より師事するハンス・イェンセン先生のクラスに参加し、同時にハンスクラスのティーチング・アシスタントを務めました。
生徒としてレッスンを受け、練習を行いながら、カルテットのリハーサル・コーチング、コンサートも行いました。
また、アシスタントとして多くの生徒のレッスンや、チェロのテクニッククラスのアシスタントも行いました。
40人いるハンスクラスの試演会やレッスンの日程調整、ピアニストとのスケジューリングなどといった事務作業も行わなければならず、とにかく椅子に座るのは食事と楽器を持っている時だけのような毎日忙しく日々を過ごしました。
<Hans先生とメドマウントの音楽監督・Janet Sung先生と。>
指導経験の少ない私には生徒を持ちレッスンをする事はとても緊張することでした。
しかし少しでも助けになるようなアドバイスや問題改善の打開策を生徒と共に考えることは非常に有意義な時間でした。
何となくの感覚での問題対処や練習は生徒には理解してもらえない為あらゆることを具現化した上で指導をしなくてはいけません。
このことは自身の練習への向き合い方を見直す機会ともなりました。
指導を受ける立場と指導を行う立場の両方の視点から自身を見つめることで、今後の演奏に活かして自分らしく一歩ずつ成長したいと思います。
<コンサートの一つにて、ピアニストのLiang-yu Wangさんと。>