実践を通した学び(栗原 峻希さん)
栗原 峻希さん/Mr. Takaki Kurihara
(専攻楽器バリトン/baritone)
[ 2024.11.29 ]
ベッリーニ研修所
ローム ミュージック ファンデーションの栗原 峻希です。
イタリア、ミラノにあるベッリーニ研修所にて、偉大なバリトン歌手ナターレ・デ・カロリス先生のレッスンをメインに受講しております。
<カイロ・オペラ・ハウス・コンサートホール>
ナターレ・デ・カロリス先生のレッスンは、技術面と表現力の両方を向上させ、音楽面において大きな影響を与えてくださいました。
先生のご指導を基盤に応用し、この半年間にコンサートやオペラ公演にも積極的に参加しました。
特に印象に残っているのは、シュトラウス『こうもり』のファルケ役です。
この役は私にとって初めての挑戦であり、オペレッタの本場ウィーンでの集中稽古に取り組み、イタリアオペラとオペレッタの歌い方、表現方法の違いなど様々な事が勉強になりました。
<シュトラウス《こうもり》ファルケ役>
別のコンサートで素晴らしい俳優である市毛良枝さんとの共演も、貴重な体験でした。
市毛さんの舞台での存在感や表現の豊かさに触れ、オペラ歌手としても新たな視点を得ることができました。
またエジプトのカイロ・オペラ・ハウスでのコンサートも、僕にとって特別なものでした。
あまりの来場者数でホール立ち見状態、演奏が始まって一時間たっても100人以上外で待っている姿を見て、思わず共演者と裏に回り一曲、待ってくれている彼らの為に演奏しました。
普段西洋音楽や日本音楽に馴染みがない彼らですが、熱狂的に受け入れてくれた姿を印象的に覚えています。
<ドン・ジョバンニのキャスト、指揮者写真>
さらに、現地の日本大使公邸でのコンサートに加え、日本人学校で子どもたちを対象にしたコンサートも開催し、日本の文化と音楽を広める一助となれたことを誇りに感じています。
2025年に札幌文化芸術劇場での公演が予定されている『ドン・ジョバンニ』のタイトルロールに挑む準備も進めています。
この役は私がずっと憧れてきたものであり、その役柄に深く入り込み、観客に新しいドン・ジョバンニ像を届けられるよう、引き続きナターレ・デ・カロリス先生のご指導のもと、努力を重ねてまいります。