ロンドンの留学生活 自分の音を追求していくこと(安並 貴史さん)
安並 貴史さん/Mr. Takashi Yasunami
(専攻楽器ピアノ/piano)
[ 2025.03.18 ]
ギルドホール音楽演劇学校
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の安並貴史です。
いつも多大なるご支援を賜りまして心より感謝申し上げます。
おかげさまでロンドン留学生活も佳境に入りました。
<ギルドホール音楽演劇学校新館前にて>
演奏家としてこの1年間では、シューベルトやピアノソロのレパートリーの拡充をはじめ、ドヴォルザークやメンデルスゾーンの室内楽、ドホナーニのピアノ協奏曲などに取り組み大変多くの刺激と学びを得ることができました。
ロンドンではピアノソロと室内楽において多くの先生のレッスンを受けることができ、これまである程度を確立していた自分の音や音楽の運び方に対して、出し方から見直して音色を増やすことを見出せた実感があります。
また、多くの著名な演奏家と共演することができ、ロンドンだけでなく日本での演奏活動も有難いことに充実させられました。
特にドホナーニのピアノ協奏曲第1番を演奏できたことは研究者として大きな収穫があり、今後の演奏会に繋がる大切な瞬間でした。
<ドホナーニピアノ協奏曲第1番>
ロンドン生活では音楽だけでなく演劇や絵画を常に堪能でき、その造形美や様々な国の人々の気持ちに触れて推し量ることができたと思います。
期間中にはスペインやドイツなどにも訪れて、その土地ならではの芸術を肌で感じてきました。
そして世界の様々な情勢に敏感に、そして均一に眺めるということができたのも、英国という場所柄や風土、この街に暮らして得られたものだと感じています。
<ギルドホール室内楽演奏会>
これからは5月にあるアーティストディプロマ課程の最終試験リサイタルに向けて一直線です。
その後は日本をベースに演奏は勿論、各地でのセミナーやレッスン、研究やワークショップなどその全てにおいて、2年間で得た経験を還元していきます。
<福岡アクロス30周年記念コンサート>
そして日本の音楽文化に一層寄与できるように、ロンドンと世界、世界と日本を音楽で益々力強く繋げられる存在に成れるように、感謝を心に終わりなき音楽人生を精一杯頑張ります。