室内楽とソロの半年(坂口 由侑さん)
坂口 由侑さん/Mr. Yu Sakaguchi
(専攻楽器ピアノ/piano)
[ 2025.03.21 ]
桐朋学園大学大学院修士課程
ロームミュージックファンデーション奨学生の坂口由侑です。
日頃から多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
今夏は、霧島音楽祭のマスタークラスからスタートしました。
<カワイ表参道ランチタイムコンサート>
霧島では室内楽クラスでヴァイオリンデュオを練木繁夫先生と磯村和英先生と堤剛先生の元で勉強させていただきました。
室内楽も高校生の頃から好きで、毎年違う編成でたくさんの仲間とともに勉強してきました。
今年はヴァイオリンデュオで、モーツァルトからブラームス、R.シュトラウスのソナタまで幅広く勉強しました。
霧島では、ブラームスを重点的にレッスンをしていただき、自分の中で明らかに変化したことが一つありました。
それは耳の使い方についてです。
練木先生からの助言で「もっと自分たちの演奏を俯瞰して聴くように耳を使って」と言っていただき、常に気を張って相手の次に出す音を聴くことだけを意識していた私としては革新的なアドバイスでした。
もちろんそれをした上で、俯瞰的に聴くということなのですが、私の音楽性をとても成長させていただいた経験でした。
<霧島国際音楽祭マスタークラス期間中のミニコンサート>
ソロでは一年を通して難しい曲を時間をかけて勉強しようということがテーマでした。
特に力を入れたのは、ベートーヴェンの作品109と、リストのドン・ジョヴァンニの回想、シューマンの謝肉祭です。
ベートーヴェンでは人間的な美しさと自然の美しさの入り混じった濃い音楽をどれだけシンプルに綺麗に聴かせることができるか、リストのこの作品は技術的に大変難しいとされていますが、音楽の発展のさせ方などの構成は彼によって再構築されたこの素晴らしい音楽をどう崩さず技術的難しさを見せず聴かせられるか、シューマンではそれぞれの小品の個性を活かしつつ作品ひとつとしてのバランスを崩さないような構成を勉強しております。
引き続き、マイペースに一歩ずつ着実に精進してまいります。
応援のほどよろしくお願いします。