奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

私の音楽人生の礎となる一年(横山 和美さん)

横山 和美さん/Ms. Kazumi Yokoyama
(専攻楽器ソプラノ/soprano)

[ 2025.03.25 ]

ウィーン市立音楽芸術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の横山 和美です。

この1年間、ロームミュージックファンデーションの奨学生として日本およびヨーロッパで活動させていただきました。

 

<シュテファン大聖堂の大きなもみの木>

 

 

最初の半年間は、東京藝術大学の博士後期課程を修了するために日本に滞在し、論文の執筆、学位審査演奏を終えました。

 

10月以降は再び、ウィーン、そしてヨーロッパでの活動に精を出すことができるようになり、この半年間では大変貴重な経験をさせていただきました。

 

ウィーンで私が在籍する課程は学士でも修士でもなく、その両方を修了した学生が自身の芸術家としての技術をさらに学び、人生を芸術家として生きるために必要な身の立て方などを学ぶ課程です。

そのため学生は、学校に在籍しながらヨーロッパの各地で行われるコンクールに参加したり、マスタークラスを自由に受けることができます。

私もこの半年間でさまざまな場所で研鑽を積む事ができました。

 

ウィーンはやはり芸術の都であり、さまざまな言語の音楽を満遍なく学習する事ができます。

しかし、歌の場合は音楽は言葉によって、言葉は音楽によって紡がれます。

そのため今年の12月に一ヶ月間イタリアに滞在し、イタリア語で生活し、レッスンを受けたことはとても貴重な体験となりました。

 

<ローマ トスカにも登場するサンタンジェロ城>

 

 

また、年が明けて一月には、スペインで行われたオペラコンクールに参加し、今まで3度挑戦して一度も通ることのなかった予選を通過し、本選へ進む事ができました。

このコンクールは世界各国で予選が行われ、1000人規模の参加者がいた中、最後の60人に選んでいただいたことは、私の中で大きな収穫となりました。

 

<バルセロナでのコンクール当日、サグラダファミリアにて>

 

 

ウィーンの学校に在籍しながら日本で博士課程を修了することができ、ヨーロッパ各地で研鑽を積めたのは、ひとえにロームミュージックファンデーション様の助けがあったからです。

この1年間は、私の音楽家人生にとって礎となる一年になりました。この経験を糧に、より素晴らしい音楽家として頑張っていきたいです。