研鑽と実践(栗原 峻希さん)
栗原 峻希さん/Mr. Takaki Kurihara
(専攻楽器バリトン/baritone)
[ 2025.04.4 ]
ベッリーニ研修所
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の栗原 峻希です。
この一年間、ナターレ・デ・カロリス先生のレッスンを受けながら、その技術を舞台で実践として生かしていく機会に多く恵まれました。
<《ドン・ジョバンニ》地獄落ちのシーン>
シュトラウス《こうもり》ファルケ役をする際はウィーンで多くの事を学びましたし、エジプトのカイロ・オペラ・ハウスで大成功したコンサートも自分にとって大変価値のあるものでした。
そして今回、札幌文化芸術劇場hitaruでの《ドン・ジョバンニ》のタイトルロールの経験はまた今後の自分にとって大きな糧となりました。
キャストも長らくイタリアにいらした方々ばかりで、日本を代表する両名、演出の粟国淳さんも、指揮者の園田隆一郎さんもローマにお住まいだったため、この《ドン・ジョバンニ》もイタリア語で稽古をするなど、国際色豊かな現場となりました。
3月7日、9日と当日会場には加藤浩子さんや池田卓夫さんなど評論家の方々も出席し「日本のオペラ上演史に残る公演に-」「栗原峻希の題名役が出色。まだ若く、誘惑者の魅力に満ちていた」と評されるなど大盛況に終わりました。
<《ドン・ジョバンニ》2幕フィナーレ騎士長とのシーン>
二年間にわたるローム ミュージック ファンデーションのご支援により、イタリアでの研鑽を継続しながら、世界を飛び様々な舞台を経験することが出来ました。
ナポリからミラノまで、多くの指導者や歌手たちと交流し、声楽技術の向上のみならず、舞台上での表現力の深化にも努めることができました。
また、この二年間で多くの新しいレパートリーにも挑戦し、演技の幅を広げることができました。
これらの作品は、今後のキャリアにおいても重要な役柄となるため、今回の経験は自分にとって大きな自信につながりました。
この奨学金によって経済的な面でも、精神的な面でも大きな支えをいただきました。
心より感謝申し上げますとともに、今後も学び続け、国際的な舞台で活躍できるよう努力を重ねてまいります。