「一期一会」貴重な出会いと経験(笠井 大暉さん)
笠井 大暉さん/Mr. Hiroki Kasai
(専攻楽器ヴィオラ/viola)
[ 2025.04.25 ]
ソフィア王妃高等音楽院
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の笠井大暉です。
ローム ミュージック ファンデーションの皆様には日頃よりご支援賜り心から感謝申し上げます。
今年度はおかげさまで欧米と日本でソロや室内楽の演奏の機会に恵まれ、充実した日々を過ごさせて頂いております。
<マドリードのホアン・マーチ財団でのピアノ四重奏コンサート>
その中でも心に残ったのは2月のマールボロ音楽祭のツアーです。
このツアーに参加するには毎年夏に米バーモント州で行われるマールボロ音楽祭で音楽監督の内田光子氏が選抜するグループに入ることで、カナダやアメリカ東海岸で活動の機会を得ることができます。
有難いことに今回、私のグループが選ばれ2月に2週間程の日程でワシントン、フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストン等で計7回の演奏を行いました。
普段ソリストやオーケストラの首席として演奏している優秀な方々と共に演奏することで多くの貴重な学びを得ました。
7回同じプログラムを異なるホールで繰り返すことで毎回少しづつ演奏が変化するのを肌で感じられたのも興味深かったです。
<ボストン郊外のロックポートでの演奏会。海に面したガラス張りのホールが素敵でした>
カーネギーホールでは伝統と重厚感のあふれた空気の中で観客の方々も静寂な中にもあたたかくお聴き下さったり、一方とある地方での演奏会では沢山の子供たちが楽しそうにお聴き下さったりと、観客の空気も各都市で差異がありました。
普段アメリカであまり演奏する機会が無いので聴衆の音楽の受け取り方、音楽の作り方等、新たな気付きも頂きました。
恩師の今井先生も若い頃マールボロツアーを経験し、その時のメンバーは一生の音楽友達になったと仰っていましたが、私も一つ一つの出会いと機会を大切にしたいと思います。
<カーネギーホールでシューマンの弦楽四重奏とブラームスのクラリネット五重奏を演奏>
ヨーロッパではスペインでソロ・室内楽リサイタルを行い、オランダではスヒールモニコーフ音楽祭に参加、日本でも4月に始めてモーツァルトの協奏交響曲を演奏するのと同時にソロリサイタルも行います。
音で人を幸せにできるよう日々研鑽を積み重ねて引き続き精進してまいります。
<3月はスヒールモニコーフ音楽祭に参加、最後には聴衆賞を頂くことができました!>