奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

目に見えない学び(山本 航司さん)

山本 航司さん/Mr.Koji Yamamoto
(専攻楽器サクソフォン/saxophone)

[ 2025.05.23 ]

パリ国立高等音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の山本航司です。

即興科及び室内学科去年度でサックス科を卒業した私は、今年度は即興科と室内学科の二つの課程で勉強しております。

今までずっとソロを勉強してきた私にとってこの半年は初めてソロ以外のことにフォーカスする、新鮮な経験を得る時間となりました。

 

<新曲作品の録音 フライブルグにて>


即興科は週に1.2回の授業の中でグループで即興をして、それに対し先生からフィードバックをもらうというような内容なのですが、個人的に印象に残っているのはマスタークラスとコンサートです。Sound Paintingという新しい即興形態のジャンルを開発したWalter Thompsonのマスタークラスでは30以上のサインを全員で覚え、Sound Paintingだけで1時間演奏するという非常に濃密なコンサートを作り上げることができました。

 

そのコンサートの完成度や演奏者の集中力が凄まじく自分もそれを肌で感じたのと、昔即興科に興味を持ったきっかけもこのSound Paintingであったことを思い出し、自分の興味の源泉に気がつく非常にいい機会となりました。

 

また先日行われた即興科のコンサートでは、今まで感じたことのない確かなインスピレーションを感じ自信を持って即興演奏をすることができました。

室内楽科ではサクソフォーン四重奏で取り組んでいますが、年始からF.Schumitt, E.Granados, J.S.Bach, A.Dvorak, B.Bartokなど幅広い作品を勉強してまいりました。

 

毎週のレッスンでは音程を正確に把握することと作曲家のスタイルを理解し、サキソフォンで演奏する上でどのような奏法で演奏するかを4人で深く考えて臨んでまいりました。

 

<ノルマンディー地方のVireで行われたコンサートの様子>

 

また先日行われたコンサートでは2時間30分ほどの長い時間でしたが今年一年練習したレパートリーを中心に演奏し、非常に充実した時間を迎えることができ、カルテット自身の成長も強く感じました。