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1年間を振り返って(白井 翼さん)

白井 翼さん/Mr. Tsubasa Shirai
(専攻楽器テューバ/tuba)

[ 2025.06.13 ]

チューリッヒ芸術大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の白井翼です。

奨学生に選出していただいてから、早くも一年が経とうとしております。この一年間、日々音楽に向き合い、多くの経験と学びを得ることができましたこと、日頃より温かいご支援を賜っているロームミュージックファンデーションの皆様に、心より感謝申し上げます。

<チューリッヒ芸術大学前>


私は昨年9月よりスイス・チューリッヒに留学し、アンネ・イェレ・フィッサー教授のもと、オーケストラのオーディション対策をはじめとし学びを深めてまいりました。

自然に恵まれたスイスの環境、そして練習に専念できる時間は、日々の生活そのものが音楽と直結しており日本とは異なる視点から多くの刺激を受けています。

 

今年度は、ありがたいことにヨーロッパおよび日本の両方で演奏の機会をいただき、スイスではイースターの祝祭に教会でオルガンと共演し、各地でのオーディションに参加したことが印象的でした。

日本では多くのオーケストラに客演し留学の学びを実践することもできました。

<ウィンタートゥアの教会でのオルガンとのソロ>

 

とりわけ、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」では、オーディション準備として磨き続けてきたヴォーン・ウィリアムズのテューバ協奏曲を演奏し、その他の作品もスイスの自然美をイメージした選曲を意識するなど今までよりもう1歩音楽家として深い表現の幅を追求できた機会となりました。

<NHK-FMリサイタルパッシオでの伴奏者との写真>

 

また、日本フィルハーモニー交響楽団の九州ツアー凱旋公演では、満席のサントリーホールにて《展覧会の絵》より「ビドロ」のソロを演奏するという、類稀なる機会にも恵まれました。

<日本フィルでのビドロ>

 

この一年間、精神的にも音楽的にも充実した時間を過ごすことができたのは、ロームミュージックファンデーションの皆様ご支援のおかげです。

改めて心より御礼申し上げます。

来シーズンからはベルン交響楽団アカデミーへの研修が始まるため、より高い演奏技術と音楽的理解を深めるべく、今後も一層研鑽を積んでまいります。