奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

音楽の源流を求めて(北村陽さん)

北村 陽さん/Mr. Yo Kitamura
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2025.10.31 ]

ベルリン芸術大学、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース

ローム ミュージック ファンデーション奨学生のチェロの北村陽です。
2年間、多大なるご支援を賜り心より感謝申し上げます。

 

お陰様でベルリンでの学生生活、ヨーロッパでの公演やアカデミーへの参加、国際コンクールへの挑戦など、貴重な経験を積ませていただきました。

 

<ベルリン芸術大学に入学>

 

なかでも、古楽のスペシャリストでハイドンのプロジェクトに取り組むMo. Giovanni Antoniniとハイドンのシンフォニア・コンチェルタンテを演奏させていただいた際、

オーケストラ奏者が古楽器を使い立奏することで、音楽がとても活き活きとしたことに感動いたしました。

 

<Mo. G. Antoniniとハイドンのソリストメンバーと>

 

また、ドヴォルザークの祖国チェコにて、彼自身が指揮をしたドヴォルザークホールで、チェロ協奏曲を演奏させていただいたことは忘れられません。
リハーサル前に、彼のひ孫となる方に、彼が最も愛したヴィソカーにある別荘を案内していただきました。
作曲部屋の窓から見える広大な景色は心が落ち着き、彼の息遣いが聞こえてくるようでした。

彼が草木を育てた庭や散歩をしていた森を歩くと、風でなびく木の葉の音や鳥の声、突然目の前に広がる湖などに心を揺さぶられ、

大きなインスピレーションを受けました。

そして、彼が故郷や愛する人々へ寄せていた想いを、深く感じることができました。

 

<アテネウムにて行われたエネスク国際コンクールのファイナル>

 

スイス・ヴェルビエ音楽祭のアカデミーでは、ソロ、室内楽と、複数の先生方から指導を受け、セミナーやトップアーティストによるコンサートを毎日聴く日々は、とても充実していました。

コンクールは、エネスク国際コンクールとカザルス国際賞で1位をいただけたことをきっかけに、いくつかの公演の機会をいただき、大変幸せで大切な経験となりました。

それぞれの場で素晴らしい方々との出会いがあり、国境を超え、音楽で心を繋げられる喜びを身にしみて感じました。

 

<エネスク国際コンクールファイナルの演奏を終えて>

 

このような経験ができましたのも、ご支援の賜物と感謝申し上げます。
これらの経験を糧に今後も精進いたします。