松田理奈さんにインタビューしてきました!
インタビュー
[ 2013.09.27 ]
2013年9月15日開催の『第17回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート』にソリストとして出演される、ローム ミュージック ファンデーションの奨学生だった松田理奈さん(ヴァイオリニスト)に9月14日のリハーサル終了後にお話を伺ってきました。
2013年9月15日 第17回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート
京都コンサートホール大ホール
写真提供:京都コンサートホール
<松田理奈さんのプロフィール>
2001年第10回日本モーツァルト音楽コンクール第1位。
2002年にはトッパンホールで「16才のイザイ弾き」というテーマでソロリサイタル開催。
2004年、第73回日本音楽コンクール第1位、2007年にはサラサーテ国際コンクールにてディプロマ入賞。
これまで国内の主要オーケストラに加え、ヤナーチェク・フィル、ベトナム響など数々の楽団や著名指揮者と共演。
2006年ビクターより『ドルチェ・リナ』、2008年に『カルメン』、2010年には『ラヴェル・ライブ』をリリース。
イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲集は、「レコード芸術」特選盤に選出された。
オフィシャルホームページ http://www.linablog.net/
Q.明日のコンサート、楽しみにしています。
京都でオーケストラとのコンサートに出演するのは学生時代以来です。
室内楽では2012年11月に京都で横山幸雄先生と共演させて頂きました。
京都市交響楽団の皆さんとの合わせは今日が初めてでした。京都での演奏機会が少ないので、明日はとても楽しみです。
Q.奨学生当時の思い出をお聞かせください。
≪松田さんへの奨学金給付は2004・2005・2006・2007年度。桐朋学園大学在籍中の2004年9月~2006年3月、ニュルンベルク音楽大学在学中の2006年10月~2008年9月≫
・先生との出会いについて
中学生の時から桐朋学園大学の堀正文先生に習っていたので、その繋がりで桐朋に行きました。
ただ、桐朋に入る前から海外で良い先生に出会ったら留学したいという思いはありました。
桐朋在学中、留学先を探すため色々な先生に会いにドイツに渡った際に出会ったのがニュルンベルク音楽大学のダニエル・ゲーデ先生(2013年春より読売日本交響楽団 コンサートマスター)でまさにぴったりでした。
教え方・人間性にとても共感し弟子入りさせてくださいとお願いしました。奨学生に選んで頂き、経済的な心配をすることなく学生生活を過ごすことができました。
・ニュルンベルクの学生生活について
向こうの学校では、希望すれば他の学校の先生にも見てもらえる制度があり、ロシア人やイギリス人、その他多くの先生に見てもらうことができました。
日本へもヨーロッパの先生方が来られますが、大概はコンサート活動で来日されているので、レッスンの時間を取っていただくのは難しいのです。
ニュルンベルクのゲーデ先生のクラスは、意外にもドイツ人がいなくて皆外国人でした。ドイツ人が留学するとなるとパリやスイス、ウィーンなどに出る人が多いようです。
Q.卒業後の活動はいかがですか?
ニュルンベルク音楽大学大学院在学中より、ゲーデ先生のアシスタントをしていました。
その後、日本でのCD発売やコンサート活動が増えてきたので、一度完全帰国しました。それが東日本大震災の3日前です。
2011年3月10日に東京でリサイタルがあり翌日の震災、少し落ち着いた昨年夏頃に、ドイツでコンサートやレッスンをする等、またドイツでの活動比重も増やそうと思っていたところに、出産が重なりなかなかドイツへ行けませんでした。
今年中にドイツへ数週間行きたいと思っており、ドイツで音楽に向かうと自分がとても自然でいられます。
やっとドイツの空気に触れられると思うと嬉しいです。
Q.最後に現在のローム ミュージック ファンデーション奨学生、またこれから音楽家の道を歩もうとする若い音楽家へ一言をお願いします。
アドバイスというよりは、同じ奨学生としては、現在の奨学生の方たちには、周りで支えて下さる方への感謝の気持ちを大切に頑張ってほしいと思います。
またこれから音楽の道に進むことを考えられている方には、是非色々な所に足を運んでみてほしいと思います。
例えばモーツァルトを勉強する場合、ザルツブルグに行って、風土を実際に感じることは曲を理解する上でとても役立ちます。
私が一番刺激的だったのは、天気です。それまで、ドイツ育ちの作曲家は1曲の中でも2小節毎ぐらいに雰囲気をコロコロ変えるからついていけない、理解できないと良く思っていました。
ニュルンベルクでは、一日に全ての天気が詰め込まれています。
晴れのち雨、嵐のち雪、その後雹でまた晴れと、とにかくコロコロ変わります。
それに動揺することなく、慣れているドイツ人を見て、ドイツ音楽はこの気候の中で生まれたんだと気付いた時に、楽譜の読み方がガラッと変わりました。私の感覚は日本の穏やかな気候に影響されていたんだと気付きました。
このように留学先では音楽の練習以外でも学ぶことがたくさんありました。
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翌日、京都コンサートホールにて開催されたコンサートでは、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を、またアンコール曲としてクライスラーの前奏曲とアレグロより アレグロをソロで演奏され、満員のお客様が松田さんと京都市交響楽団の共演を楽しまれました。
京都市交響楽団 常任指揮者の広上 淳一さんとは初めての共演だったとのこと、次回の共演は2015年だそうです。
(松田さんオフィシャルブログhttp://ameblo.jp/linamatsuda/entry-11614364785.htmlより)
日本・ドイツで、演奏活動と若手指導と精力的に活動されている松田さん、これからのご活躍も楽しみにしています。
<松田さんの今後の予定>
・松田理奈 ヴァイオリンリサイタル
2013年9月29日(日) 橿原文化会館(奈良)
共演:ピアノ:江口玲
お問い合わせ:奈良県橿原文化会館 0744-23-2771
・アジアオーケストラウィーク2013
2013年10月7日(月) 東京オペラシティコンサートホール
共演:山形交響楽団、指揮:飯森範親
お問い合わせ:日本オーケストラ連盟 03-5610-7275
・中部フィルハーモニー交響楽団 第6回 松坂定期演奏会
2013年12月15日(日) クラギ文化ホール(松坂市民文化会館)
共演:中部フィルハーモニー交響楽団、指揮:飯森範親
お問い合わせ:中部フィル0568-43-4333
・第8回読響カレッジ
2014年3月7日(金) 文京シビックホール(東京)
共演:読売交響楽団、指揮:大友直人
お問い合わせ:読売交響楽団チケットセンター 03-3562-1550
(写真提供:京都コンサートホール)