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ローム ミュージック フェスティバル 2023を開催しました!

RMFレポート

[ 2023.05.23 ]

2023年4月22日(土)、4月23日(日)にロームシアター京都全館を使用して「ローム ミュージック フェスティバル2023」を開催しました。

ローム・スクエア(野外)での吹奏楽コンサートが復活するなど、4年振りに従来通りの形での開催が実現し、今年も国内外で活躍するローム ミュージック フレンズが様々な演奏を披露しました。

 

 

フェスティバルの様子を、オーケストラコンサートにて司会を務めていただいた朝岡聡さんレポートでお届けします。

 

<朝岡 聡さん>

テレビ朝日のアナウンサーとして活躍。

フリーとなってからはテレビ・ラジオ出演のほか、クラシックやオペラ・コンサートの司会者として注目と信頼を集めている。

東京藝術大学客員教授。日本ロッシーニ協会副会長。

 

 

 

例年になく春が早く来た京都。

鮮やかな新緑がさわやかな風に揺れるロームシアター周辺。

4年ぶりにスクエア・コンサートも復活して中高生の演奏に合わせた手拍子、拍手が湧きおこりました。

ステージと聴衆のコミュニケーションで会場が一つになれる!

…今年のフェスティバルは、どのコンサートもそんなライブの歓びに溢れていました。

 

 

●リレーコンサートA 12人のスペシャル・チェロ・アンサンブル

 

N響首席奏者の辻本玲を中心に、国内外で活躍するローム・ミュージック・フレンズのチェロ奏者12人が集結。

全員で音を重ねれば、まさに豊かなる「音の森」が出現!

「一人語り」のチェロもあれば、4人や6人のコンビネーションでアンサンブルの大いなる可能性を見事に披露してくれるプログラムもあって、この日だけのとびきり贅沢な響きに会場は魅了されました。

 

<リレーコンサートAの様子>

 

 

●リレーコンサートB Brassissimo! 燦爛たる金管アンサンブルの世界

 

トランペットとトロンボーン各4人、ホルン、チューバの10人は普段は国内各地で活躍の名手達。

彼らが一期一会のアンサンブルを繰り広げました。

作・編曲家でもあるトランペットの三澤慶によるルネサンス舞曲や源氏物語に材をとった作品も披露されるなど実に多彩なプログラム。

豪華でダイナミックな金管楽器の輝きに喝采が送られました。

 

<リレーコンサートBの様子>

 

 

●オーケストラコンサートI オペラ・ハイライト「セビリャの理髪師」×「フィガロの結婚」

 

ロッシーニとモーツァルトの傑作オペラが一度に楽しめる?!

そんな夢のようなオペラ企画が実現。

田尾下哲の演出はステージ上の豪華な舞台を縦横無尽に使って、芝居の面白さも堪能できる秀逸なもの。

歌手陣も持ち味を十分発揮しての熱唱&熱演。

朝岡聡の軽妙なナビゲートも冴えて、オペラの面白さを改めて実感できる機会となりました。

 


<オーケストラコンサートIの様子>

 

 

●リレーコンサートC 2台ヴァイオリンとピアノによるダンス・ミュージックの世界

 

アンダーソン「舞踏会の美女」に始まり、モンティ「チャールダッシュ」の2人演奏に到るプログラムはダンス音楽をテーマにした多彩なもの。

従妹同士で誕生日も同じという神谷未穂と磯絵里子のヴァイオリンは息もピッタリ、どれも生命力にあふれて楽しさ満点。

軽妙な解説トークにリクエストコーナーなど、客席とのコミュニケーションも工夫された構成で大いに盛り上がりました。

 

<リレーコンサートCの様子>

 

 

●オーケストラコンサートII 音楽物語「ペール・ギュント」×チャイコフスキー交響曲 第5番

 

京都出身の俳優・佐々木蔵之介が語る「ペール・ギュント」の物語は、雄弁なオーケストラと相まって実にロマンあふれる贅沢な味わい。

「運命」をモチーフにしたチャイコフスキーの交響曲でも、豊かな感情が全編に濃厚に感じられ、聴く人を熱狂へと導きました。

オーケストラの魅力を存分に感じたひとときでした。

 

<オーケストラコンサートIIの様子>

 

 

4年ぶりに通常の開催となった今回のフェスティバル。

演奏者も客席も、あらためてライブで音楽に向き合える歓びを実感する2日間でした。

全公演が配信でも全国の音楽ファンに届きました。

ローム・ミュージック・フレンズにとって、このフェスティバルで初めて共演出来たり、演奏機会を得るのは貴重な財産。

その絆を生かして、次回以降も多彩なプログラムが展開されることでしょう。

 

 

(撮影:佐々木卓男、樋口航)