ドイツでの夏(湯本亜美さん)
湯本 亜美さん/Ms.Ami Yumoto
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2013.11.12 ]
学校名:ベルリン音楽大学ハンス・アイスラー
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の湯本亜美です。
ドイツに留学して3年目になりますが、ベルリンの冬はいつも寒く、暗く、厳しいものです。
そんな時は、ベルリンフィルハーモニーやドイチェオパーなど、素晴らしいホールで素晴らしい音楽を聴くと身も心も温まります。
夏になると屋外コンサートも開催され、多くの人が野外で演奏会を楽しんでいます。
そんな素敵な環境で勉強できることを、本当に幸せに思います。
私の尊敬する師であるサシュコ•ガヴリロフ先生は大変パワフルで厳しく、熱心にレッスンして下さいます。
彼はかつてダヴィッド•オイストラフに師事し、また若くしてベルリンフィルハーモニーのコンサートマスターとなり、フルトヴェングラーと共に演奏をしていました。
<バーデン・バーデンにあったフルトヴェングラーの胸像>
また、G・リゲティにヴァイオリン協奏曲を贈られ、初演もされています。
先生の、リゲティのヴァイオリン協奏曲を演奏会で聴かせて頂いたときは圧巻で、感動しました。
当時の事、オイストラフに言われた言葉など、貴重なお話をして下さる時もあり、本当に興奮してしまいます。
さて、そんな先生が今年、ドイツのバーデン•バーデンで開催されているカールフレッシュアカデミーに講師として行かれるということで、私もその講習会に参加してきました。
バーデン•バーデンはその名前の通り温泉地として有名で、観光客も多く、自然豊かな素晴らしい街です。
また、ブラームスやクララ•シューマンが、夏になると訪れ、数ヶ月間滞在していた地でもあり、なんとブラームスが借りていた部屋がそのまま残されていて、見学することも出来ました。
講習会中には、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を、バーデン•バーデンフィルハーモニーオーケストラと共演する機会も頂き、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
チャイコフスキーの協奏曲は、11月に日本でも演奏させて頂く予定なので、今からとても楽しみです。
今回ここに書かせて頂いた事は私の留学生活のほんの一部ですが、これからも様々な経験をし、学び、音楽の素晴らしさを表現し伝えることができるよう日々精進して参ります。
<ベルリン大聖堂と、テレビ塔>