奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

厳しくも充実したベルリン生活(景山梨乃さん)

景山 梨乃さん/Ms.Rino Kageyama
(専攻楽器ハープ/harp)

[ 2014.01.28 ]

学校名:ベルリン芸術大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の景山梨乃です。
連日最低気温は−10℃前後、最高気温も0℃に満たない長くて厳しい冬を迎えているベルリンです。

ベルリンの長く厳しい冬。家のベランダより

少しでも気分を上げようとベランダに積もった雪で雪だるまを作ろうとすると、湿気がないためか日本と違い雪がパサパサでなかなか固まらず、結局なんとか形になっても徐々に顔ごとサーッと崩れていくというおどろおどろしい物ができてしまい余計に落ち込む、ということがありました。。

実際にヨーローッパの暗く長い冬は心の病気になる人がとても多いそうで、こうやって自分で無理にでも何か気持ちが晴れることを考えなければやってられないのです。

 

最近はベルリン芸術大学、そして同時に在籍しているベルリンフィルのカラヤンアカデミー共に、オーケストラ尽くしの日々を送っています。
学校のオーケストラの授業ではみっちりと時間をかけ曲を勉強することができ、またベルリンフィルでは2番ハープとしてたくさんのコンサートに出演させて頂き、毎回刺激の多い贅沢な時間を過ごすことができています。

 

オーケストラでの様子

 

それと同時に自分の力量のなさに落ち込むことも多く、今まではただ単に「オーケストラ奏者になりたい」という漠然とした夢を持ってきましたが、周り
にいる一流の方々を見ていると、最近はそれだけではだめなのだ、と、色々と考え始めてもいます。
オーケストラだけでなくハープのレッスンも同様で、ベルリンフィルの首席ハープ奏者でありベルリン芸術大学での師匠でもあるマリーピエール・ラングラメ先生は、私にとっては技術、音楽性ともに天才を超え未知の領域に達している方であり、この人だけには絶対に追いつけない、とレッスンの度に得るもの以上に圧倒され、絶望感さえ抱くこともあります。
しかしそれも、高いレベルの中で過ごせているが故であり、すごい人たちというのは世界には山ほどいるのだ、と実感することができ、自分の実力というものを痛感することのできるとても有り難いことなのだ、と考えています。
それもこれも恐らくここに来なければ知り得なかったこと。
まだまだ臆病で度胸のない私ですが、このような環境で勉強をできていることに感謝しながら、全てにおいて磨きをかけ自信をつけることを目標に精進していきたいです。

 

 


ドイツの雪と日本の雪は質が違うんですね。初めて知りました。 また、ベルリンフィルのコンサートに参加しているとのこと、素晴らしい体験ですね!一流のオーケストラプレーヤーから多くを学んでぜひこれからの音楽活動に繋げてください。