続・たくさんの演奏機会で実践、充実の日々(小林壱成さん)
小林 壱成さん/Mr. Issei Kobayashi
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2017.05.15 ]
学校名:東京藝術大学
ロームミュージックファンデーション奨学生の小林壱成です。
多大なご支援をいただき、お陰様で音楽の勉強を続けられることに、心より感謝お礼申し上げます。
<東京春祭 リハーサル前>
さて、9月に東京藝術大学大学院修士課程の受験を終え合格して以降、昨年度後半は「銀座王子ホール」様より、有り難いことに新しいトリオでの室内楽シリーズのオファーをいただき、その取材から始まりました。
ホール看板コンサートの一翼を担い、長いスパンでの計画とのこと、身に余るお話に感謝しつつ、どのような内容にしようかとわくわくと妄想中です!
クラシックライヴの楽しさが伝わるようなステージにしていかれればと思います。
<Stella Trio インタビュー>
上半期と打って変わり、下半期は大学関連での演奏に多くの時間を費やしました。
11月には、試験選抜で機会を得て、長い歴史を誇る「藝大モーニングコンサート」に出演し、藝大フィルハーモニア管弦楽団とショスタコーヴィチのVn.コンチェルトを共演。
プログラムノートも自分で書くにあたり、ショスタコーヴィチについて深める機会ともなりました。
同時に、高関健先生指揮 藝大シンフォニーオーケストラの定期演奏会でもショスタコーヴィチの交響曲を扱い、コンサートマスターとして掘り下げ、また、同曲で東京藝術劇場での音楽大学オーケストラフェスティバルに出演して、フェス史上に残る名演との高評を得ることができました。
その翌週には、NHK交響楽団様のエキストラ奏者として、またもやショスタコーヴィッチの作品を複数演奏し、偶然ですが、リハーサル含めてほぼ1か月ショスタコとともに過ごしました(笑)
<東京藝術大学モーニングコンサート「ショスタコーヴィッチ ヴァイオリン協奏曲第1番」>
12月には室内楽の試験と1月には公開卒業試験があり、その準備の過程でまた多く勉強し、
成果としても、2月の藝大室内楽定期演奏会へ3年連続選抜出演となり、卒業試験においてもアカンサス音楽賞と同声会賞を受賞いたしました。
演奏活動面では、12月には1週間のブロムシュテット指揮N響第九シリーズ、年末の東京文化会館ベートーヴェン全交響曲連続演奏会、新年の王子ホールNew Year Special Concertにてプロ演奏家の方々との丁々発止のステージ進行など、過去2度3度と経験させていただき、実践を深めています。
そのほか、北九州国際音楽祭、藝大国際共同プロジェクトをはじめいくつもの様々なコンサート、日本モーツァルト協会主催で同世代アンサンブル「ラルーチェ弦楽八重奏団」の公演等、スケジュールは山もりです!
その中にあって、1月にはNHK-FM番組 「リサイタルノヴァ」の収録にNHK大阪ホールに参りましたが、過去最高の1200名のお客様を迎えたそうで、感激するとともに一発撮りの緊張感も味わいました。
<春祭チェンバーオーケストラ「トップ奏者と煌めく才能が贈る極上のアンサンブル」「写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会/撮影:青柳聡」>
この3月には文化庁での新しい試み「Arts in Bunkacho」への藝大代表カルテットでの出演、また、昨年にひきつづき、上野の春を桜色のシンボルカラーで彩る「東京・春・音楽祭」に出演し、春祭チェンバー「トップ奏者と煌めく才能が贈る極上のアンサンブル」として、春にふさわしいヴィヴァルディのソロを持ち回りします。
藝大のある上野での大きな音楽祭に関わるのは、なんとも嬉しい気持ちです。
音楽祭にはたくさんの演奏家が一堂に集結して毎日多彩なプログラムが組まれており、東京文化会館の大小のホール以外にも、様々な美術館や駅、外のステージなどでコンサートもあって、
本当に「お祭り!」という感じが楽しいですね。
<上野公園「写真提供:東京・春・音楽祭実行委員会/撮影:青柳聡」>
この1年は、実際のプロとしてのステージ実践の様々な経験を通して、多くの勉強の機会を得ました。
また上半期はおかげさまで海外セミナー参加や海外でのリサイタル、文化自然歴史を感じるホームステイ、音楽祭見聞の感動、現地での情報の取材などなど、素晴らしい経験ができました。
この春以降は、さらに海外で勉強することを見据えて研鑽していくつもりです。