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充実した、有意義な日々(黒田哲平さん)6/6

黒田 哲平さん/Mr. Teppei Kuroda
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2019.09.17 ]

学校名:桐朋学園大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の黒田哲平です。

2019年は、始まって間もない2月から、セミナーとコンクールを受けるために、ポルトガルのコインブラというところへ行きました。

<リハーサルの休憩中>

 

コインブラはポルトガル最古の大学がある街で、その大学の図書館などの美しさは目を瞠るほどでした。

他にも、街全体に漂うどことなくのんびりとした風情ある街並みや、おいしい料理など、印象に残ったことは数限りありません。

セミナーでは参加者や先生方から多くの刺激を得ることが出来ました。

どの先生も大変ユニークで、音楽の捉え方そのものが大きく変わるようなレッスンをしてくださいました。

そして、併せて行われた第4回フィゲーラ・ダ・フォズ国際ピアノコンクールでは、おかげさまで第1位を受賞致しました!

ファイナルでは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を弾いたのですが、海外のオーケストラと共演したのは今回が初めてで、忘れられない体験となりました。

 

<リハーサル>

 
リハーサルの日の朝、団員の皆さんに挨拶をしようと思い、原稿を英語で書いてホテルのコンシェルジュの方にポルトガル語に訳してもらいました。

それからポルトガル語の発音をみっちり(!)教えていただき、リハーサルに臨みました。

丁寧に教わったおかげで、そしてたくさん練習した甲斐もあり、無事スピーチは大成功、その後のリハーサルも良い雰囲気で進めることが出来ました。

その時、聴衆や共演者など多くの人々と共に感動を作っていく音楽家にとって、改めて、言葉、そしてコミュニケーションがいかに大切かを感じました。

共通言語である音楽を共にするために、お互いの固有の言葉を尊重し合うということがとても素敵なことに思えました。

本番の前日にあったそのリハーサルは、深夜11時半頃まで(!)続いたのですが、翌日も良い集中力で弾くことが出来たと思います。

ポルトガルでは他にも、大西洋を見に行ってその壮大さに感動したこと、そうこうしているうちにずぶ濡れになってしまったこと、その直後に、あと2時間で開演する演奏会に出演するチャンスを急遽頂いたこと、そして大西洋から会場へ急行し、スーツを借りて着替え、一切リハーサルせずに4ヶ月ぶりの曲を弾いたこと(無事なんとか、弾き切ることが出来ました…)など、思い出はたくさんあります。

その後、ドイツにて憧れていた先生のレッスンを受けることができ、留学やその他のことがぐっと身近に感じられるようになりました。
今年も充実したスタートを切ることが出来、とても幸せに思います。
今後も、さらに国際的に活躍の場を広げていくべく、あらゆるチャンスを逃さず、全力で向かい合っていきたいと思います。

 

<ノイシュヴァンシュタイン城>

 


コンクールでの1位おめでとうございます! 言語もしっかり学ぶことでコミュニケーションを図ってより親密に音楽を創ることも大事ですね。これからも頑張ってください!