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2022年度を振り返って(福田 麻子さん)2/4

福田 麻子さん/Ms. Asako Fukuda
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2023.02.24 ]

東京音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の福田麻子です。
2022年にはプロの演奏家を志すものとして本当に貴重な経験をすることができました。

 

<CHANEL Pigmalion Days グランド・フィナーレでの演奏の様子©CHANEL>

 

 

まずCHANEL Pigmalion Days2022の参加アーティストとして全5回のリサイタルとフィナーレの計6回の演奏をさせていただきました。

このシリーズでは、毎回テーマを持って全て違うプログラムで演奏するという、私にとってはとてもハードルの高い経験ではありましたが、一回一回お客様の前で演奏して初めて経験できること、学べることがあり演奏家として大きく成長できたと実感しました。

 

次に昨年から今年の2月までにオーケストラとの共演の機会を4度いただきましたこともかけがえのない体験になりました。

私が協奏曲を演奏する際の課題はオーケストラに対してスケールが小さくなりがちであるということでした。

私は体が小さいので、どのように演奏したら存在感のあるソリストとしてお客様に演奏が伝わるのかといつも考えています。

オーケストラとの共演の経験を通して奏法を見直したり、体力をつけることなど少しずつ改善に取り組んで、その結果コンサートでも少しずつ自信を持って演奏できるようになってきました。

これからも一つ一つの演奏会を通して一歩ずつ成長していけるように弛まぬ努力を続けていきたいと思っています。

 

<神奈川フィルハーモニー管弦楽団との共演の様子©藤本史昭>

 

 

一方で私は今、大学院の博士課程に在籍してシベリウスの協奏曲の研究に取り組んでいます。

自分の研究の他に色々な専攻の先生方と学生で様々なテーマについて発表しあったり議論したりしています。

今年度において、私は演奏を通じて演奏家が果たすべき役割について、西洋芸術音楽の現代の演奏の場における聴き手の受容行為に着目し、演奏者がその「演奏によって」聴き手の受容行為にどのように寄与できるのかについて考察をしました。

普段は自分の実技の先生や弦楽器の先生方と関わる事が多いので、音楽学、声楽、管楽器、教育学、民族音楽等の先生方それぞれの視点からの興味深いお話しを聞くことができ、自分の視野を広げることができました。

博士課程の授業を通して音楽を総合的に捉える事ができるようになったと感じています。

 

 

今後も一つ一つの経験を通してより深い人間性を培っていきたいと思います。

いつもあたたかいご支援を、ありがとうございます。