奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

奨学生としての2年間(三村 梨紗さん)10/1

三村 梨紗さん/Ms.Risa Mimura
(専攻楽器トランペット/trumpet)

[ 2022.10.28 ]

ハンブルク音楽演劇大学

2020、2021年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生の三村梨紗です。
まず初めに2020年度9月より2年間、多大なるご支援を賜りまして、誠にありがとうございました。
ロームミュージックファンデーションの皆様からのご支援のおかげで、毎日充実した留学生活を送ることができました。
心より感謝申し上げます。

 

<シュレースヴィヒ大聖堂でベーメのトランペット協奏曲を演奏>

 


今年の夏に修士課程を終える予定でしたが、留学当初パンデミックが始まったばかりだったこともあり、半年延長させて頂きました。

2023年の冬に修士課程を終える予定です。
今年1年間を振り返りますと、昨年に引き続きとても濃い毎日となりました。

 

まずは12月に韓国・チェジュ島で開催された、チェジュ国際金管打楽器コンクールにおいて、第2位を受賞しました。
8月にビデオ審査で1次・2次選考があり、本選は現地でオーケストラの皆さんと演奏する予定でした。

ただ、ちょうどその時オミクロン株が流行し始め、残念ながら現地に到着して1日でドイツに戻ることになってしまいました。

その後ビデオ審査をして頂けることとなり、順位が決まりました。

 

色々大変なことはありましたが、一生懸命コンクールに向けて準備してきたことは全く無駄にならず、私にとってとても良い経験でしたし、国際コンクールで初めて賞を頂くことができて、とても嬉しかったです。
1月から3月はハンブルク州立歌劇場でのオペラの本番で2日に1回は歌劇場に通っていました。
制限下ではありましたが、数百人規模の作品のオペラが再開し、ワーグナーの『ローエングリン』『タンホイザー』、プッチーニの『トゥーランドット』などに参加しました。
学生の私たちにこのような貴重な機会を与えてくださる教授や歌劇場の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

 

<ハンブルク州立歌劇場での「トゥーランドット」の終演後>

 

 

そして6、7月とソリストとしてオーケストラとの共演が2回続きました。
まず6月に同じ学校に通っているピアニストDaria Parkhomenkoとショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲第1番(別名: ピアノとトランペットのための協奏曲)をオーケストラの皆さんと共演させて頂きました。

指揮は同じ学校に通われていた杉本優さんで、全信頼を置いて演奏することができました。なんと言っても憧れていたエルプフィルハーモニーのホールで演奏させて頂けたことは、一生忘れません。

 

そして7月はハンブルクから2時間ほど離れたシュレースヴィヒという町の大聖堂でベーメのトランペット協奏曲をオーケストラと共演させて頂きました。
自分のやりたい音楽を伝えるためにドイツ語のコミュニケーションは必須で苦労はしましたが、指揮者の方をはじめ、オーケストラの皆さんが直前まで細部にこだわってくださり、本番はとても楽しく演奏することができました。

当日は大聖堂満席のお客様にお越し頂き、温かい拍手を頂きました。

 

これらのコンクールやコンサートと並行して、オーケストラや歌劇場のオーディションを受けてきました。

参加者のレベルがとても高く、私にはまだ厳しい道のりですが、課題を一つ一つクリアして、自分の目標に一歩ずつ近づけるよう、これからも努力していきます。
修士課程の期間がまだ半年残っています。
教授やクラスメイトからたくさん刺激を受け、常に向上心を忘れず、日々支えてくださっていることへの心からの感謝を忘れずに、1日1日一生懸命練習に励んでいきます。

 

<エルプフィルハーモニーにてショスタコーヴィッチ「ピアノ協奏曲第1番」>

 

 

最後になりましたが、改めまして2年間多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。
今後もロームミュージックフレンズの一員として、様々な企画やコンサート活動に携わらせていただくことを心より楽しみにしております。