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師たちの背中を追って(清水 伶さん)10/22

清水 伶さん/Mr. Ryo Shimizu
(専攻楽器フルート/flute)

[ 2023.10.27 ]

ジュネーヴ高等音楽院,桐朋学園大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の清水伶です。

最近の私の演奏活動は、各地のオーケストラで首席奏者として客演することが主となり、緊張感のなか充実した活動をしております。

 

<首席奏者として客演>

 

しかし、昨年末に初めてプロのオーケストラで客演首席を務めた私は、まだ文字通り経験不足と言わざるを得ません。

そのような活動が増えるなか今年はこれまで4度、2番奏者として演奏する機会がありました。
経験豊富な首席奏者の仕事ぶりを真横で観察できるまたとない機会であり、一挙手一投足を見逃さないよう取り組みました。

特に私の師が首席を務める機会が2度あり、私にとって特別な公演でした。

 

<神田寛明先生、梶川真歩さんと>

 

1度目は、神田寛明先生の所属するオーケストラへの客演でした。
先生の芯のある演奏、具体的には音程や音量に一貫性がある演奏が、周囲にバランスをもたらしている様子は大変勉強になりました。
私は周囲に合わせようとするあまり一貫性が取れず、矛盾が生じるケースがあるため改善へのきっかけとなりました。

 

<ジャック・ズーン先生との共演ジャック・ズーン先生との共演>

 

2度目は昨年に引き続き、ジャック・ズーン先生と音楽祭のオーケストラで共演する機会を得ました。
オーケストラスタディの定番であるダフニスとクロエ第二組曲がメインのプログラムでは、先生の大ソロをはじめ首席陣のスーパープレイが周囲にインスピレーションを与え、それが連鎖していく様子は圧巻です。
別プログラムでは、映画音楽の巨匠ジョンウィリアムズ氏指揮による自作自演の公演があり、巨匠の一挙手一投足を見逃さまいとするオーケストラの集中力による信じられないほどのエネルギーを体感することができました。

 

<ジョン・ウィリアムズ氏の指揮でズーン先生と客演>

 

 

2人の背中はまだまだ遥かに遠いと感じる両公演でしたが、常に周囲に良い影響を与える姿勢やエネルギーというものは意識的に取り入れることができると思います。
試行錯誤を続け、いつの日か自分なりの首席奏者像を確立できるよう勉強を重ねていきたいです。