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最終レポート(櫃本瑠音さん)7/31

櫃本 瑠音さん/Ms. Rune Hitsumoto
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2019.11.20 ]

学校名:パリ地方音楽院

ロームミュージックファンデーション奨学生の櫃本瑠音です。

ご支援に感謝しながら、パリで研鑽を積んでいます。

<試験前の試演会>

 

パリでの滞在ももうすぐ一年目を迎えます。思い返せば、滞在許可を得るのが予想以上に困難だったり、パリの街がデモで荒れたり、ノートルダム寺院が火災にあっったり、常に落ち着かない状態でしたが、最近になってやっと音楽に集中できるようになりました。

 

音楽院では、マリー・ポール・ミロンヌ先生にソロの指導をしていただいています。先生から学ぶ事は、作曲者をより深く理解し、楽譜を深く読み取り、それを演奏と言う形で表現することです。

演奏技術、体の使い方についても親身なアドバイスを頂いています。

今まで自ら立ち入るのを避けていた領域から演奏を見直す機会を頂いて、自分の演奏が変わってきました。

新しい曲にチャレンジしながらも、今まで何度も弾いてきた曲も、初めて出会うかのように新鮮な気持ちでさらい直しています。

アンサンブルでは、主にラベルの曲を学習しました。

パリに住みその文化を良く知ることで、ラベルやその他の作曲家のフランス独特の和音感をより良く把握し表現できるようになった気がします。

いつか、私のラベルやドビュッシーの演奏から、フランスの空気を感じ取って頂けるようになりたいものです。

 

学校の行事で、パリ市内の美術館や病院等、公共施設で何度か演奏会をしました。

いつも驚くほど沢山の方々が聴きにきてくださいました。

パリの人々にとってクラシック音楽は身近で、気負うことなしに楽しむものだというのが私には嬉しい驚きでした。

パリではクラシックのコンサートも多く行われますが、観客の皆さんは年齢層も広く、特別感なしに生活の一部になっているのが素敵だと思いました。

時間と費用が許す限り、コンサートには頻繁に足を運んでいます。

パリ管の定期演奏会では、ドビュッシーの交響曲があまりに素晴らしかった。

パリには世界的な演奏家のコンサートが多く、日本で出会ったことがないような素晴らしい演奏に頻繁に触れることができます。

最近では、ジャニーヌ・ヤンセンのコンサートに行き、卓越した技術と音楽性に感動しました。

こんな環境の中で学ベるのは本当に幸せだと思います。

 

<コンクールで頂いた賞状>

 
2月にはConcours des lyres des arts コンクールに参加し優勝しました。

6月には学校で年度末の最大の試験があり、最高位の très bien à l’unanimité et félicitations をいただくことができました。

秋には、パリで行われるコンクールに参加するつもりで、準備中です。

 

<試験で弾いた曲達>


パリは世界的に見てもいろいろあった都市でしたね。 ですが、パリでしか学べない、感じることができないことをたくさん経験しているようですね。ぜひこれからも頑張ってください。