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1年を振り返って…(佐山 裕樹さん)4/5

佐山 裕樹さん/Mr. Yuki Sayama
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2023.04.11 ]

桐朋学園大学音楽学部ソリスト・ディプロマコース

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の佐山裕樹です。

今年の3月に11年間通った桐朋学園を卒業しました。

 

倉田澄子先生の元でチェロを習い始めて早14年が過ぎ最後のレッスン、卒業式ではうるっとくるものがありました。

 

<卒業式>

 

 

この1年間はソリストディプロマコース最後の年ということもあり学校では修了リサイタル試験の準備に追われていました。

最後の試験で何を弾こうかずっと迷っていて、ずっと勉強をしたかったベートーヴェンのチェロソナタ3番をメインに選曲しました。

 

ベートーヴェンは自分にとってはとても演奏するのが難しい作曲家だなと高校・大学の時思っており、学生生活の半分が過ぎる頃まであまり挑戦をしてきませんでした。

しかしいざ挑戦をしてみると難しい部分もたくさんあるけど音楽の新たな発見も多く楽しいことに気がつきました。

 

そんな学生生活を経て最後にベートーヴェンのソナタを演奏でき今の自分が表現できる精一杯の演奏をすることができました。

次にこの曲を弾くときには曲に対する考え方がどのように変わっていくのかというのも今からとても楽しみです。

 

<修了試験>

 

 

私はずっと日本で勉強をしておりますがたまに海外へレッスンを受けに行くこともあります。

 

昨年の9月にはドイツで開催されたクロンベルクアカデミーのチェロマスタークラスに参加をし、フランス・ヘルメルソン先生のレッスンを期間中2回受けることができました。

「常にどういう音を出したいか考え、そのためにはどういうビブラートで弾くか、どういう弓のスピードで弾くか常に考えて」ということをメインに教わり常に音楽への探究心を忘れてはいけないということを学びました。

期間中は一流のアーティストの演奏を毎晩聴くことができ、日本にいたらできない経験がたくさんできとても濃い10日間でした。

また、世界各国の同世代の音楽家とも交流ができ刺激が多く実りあるマスタークラスとなりました。

 

昨年は初めてとなる国際コンクール(ドバイ)も受けることができマスタークラスにも参加ができ自分にとってはとても刺激的な1年となりました。

 

<ドイツ マスタークラス >

 

 

室内楽やオーケストラでの演奏活動が忙しく自分の演奏と正面から向き合う時間が取れなくなりそうな時もあります。

でも、インプットの時間も大切だなと常日頃実感をしているので、これからも学生生活の時のようなじっくりと練習する時間もとりつつ音楽活動をしていければとも思っています。

 

最後となってしまいましたが2年間多大なるご支援をしていただいたこと本当に感謝しております。

これからはロームミュージックフレンズとして音楽の素晴らしさを伝えていける音楽家になっていきたいと思っています。