コロナ禍の中での音楽活動(東條 太河さん)9/23
東條 太河さん/Mr. Taiga Tojo
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)
[ 2023.10.3 ]
東京藝術大学
ローム ミュージックファンデーション奨学生の東條太河です。
2021年から始まった奨学生期間が2023年をもって終了致しました。
ロームの皆様には多大なるご支援を頂き御礼申し上げます。
ロームの奨学生に応募させて頂いた時はコロナ禍真っ只中で、世界中が混乱に陥り芸術の世界も大きく打撃を受けました。
先行きが非常に不透明な世界にとても不安を感じていましたが、心強いご支援もあり勉強やコンサートの機会にに恵まれた事をとても有難く思っております。
附属高校から通った東京藝術大学を卒業しました。
見守ってくださった二人の先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
中学生の頃からご指導頂いた漆原朝子先生からは、ヴァイオリンを弾く上で最も最適な身体の使い方や、楽譜から忠実に作曲家の意思を読み取る事を中心に勉強しました。
音楽の本質や新たな価値観を自分に生み出してくださった、松原勝也先生と過ごした時間も忘れられません。
先生方からは音楽への向き合い方だけではなく、人格構成や人生の歩みに大きな影響を与えてくださりました。
そしてサントリーホール室内楽アカデミーを中心にカルテットの勉強をした事は、これからの人生の指針となりました。
ここでいくつか記憶に残る室内楽の演奏会を振り返りたいと思います。
ウェールズカルテットの横溝耕一さん、富岡廉太郎さんと勉強させて頂いた、ブラームスの弦楽六重奏第2番を第一生命ホールで弾かせていただきました。
室内楽の楽しさをより知る事ができた楽しい演奏会でした。
王子ホールにて私達のカルテットの先生である、元東京カルテットのメンバー及び毛利伯郎先生とリサイタルをさせて頂きました。
憧れの先生方と舞台を共有できた事を非常に嬉しく思います。
自分たちが長く勉強してきたハイドンの76番の1や、難曲であるバルトークの4番を弾かせていただきました。
紀尾井ホールで行われたヴィオラスペースにて、今井信子先生とモーツァルトの弦楽五重奏を演奏しました。
リハーサルの時から今井先生の暖かく包み込むような音に思わず虜になりました。
9月からはNHK交響楽団の契約楽員となります。
様々な作品に触れられる機会を大事にしつつ、これからも更に味わい深い芸術家を目指し精進致します。