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修論小話(福丸 光詩さん)10/31

福丸 光詩さん/Mr. Koji Fukumaru
(専攻楽器作曲/composition)

[ 2023.11.24 ]

東京音楽大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の福丸 光詩です。

 

前回のレポート(8月)では、私の音楽研究の関心事について書きました。

それから約3ヶ月経ちましたので、今回はその期間に取り組んだ論文執筆の小話をしたいと思います。

 

<修士論文表紙>

 

 

8〜9月の2ヶ月間は、寝ても覚めても論文、論文、論文…そんな毎日でした。

最も苦労したのは本文を執筆し始める一番初めの時期です。

 

8/3(木)の日記を読み返すと、「修論やろうと思いつつも勇気が出ず、うめいて本読んでみたり云々していた」と書いてありました。

執筆開始までの約1年間、つまり昨年からずっと論文の研究と準備をしてきたわけですが、いよいよそれを文章化する時がきて、急に不安になったのでした。

 

 

しかし、これは作曲を開始する際の現象と非常によく似ています。

頭の中で描いた音楽を、実際に五線紙の上に書き始める瞬間が一番悩ましく、勇気が要ります。

 

私の場合、こういう心理状態にある時は、きまって完璧主義的な理想が余計な心配をさせています。

なので解決法は、ダメでもいいから書き始める。

これに尽きます。

 

実業家マーク・ザッカーバーグは “Done is better than perfect(完璧よりまず終わらせろ)” という言葉をFacebook社のスローガンのひとつに掲げたと言われていますが、これは実に明快に創作の本質を捉えていると思います。

完璧ではない人間が完璧なものを生み出すことなど、はじめから不可能だからです。

 

 

ということで、私はとにかく執筆を開始し、徐々にペースが軌道に乗ってくると、初めの頃に書いたぎこちない文章を修正できるようになりました。

 

執筆期間中の2ヶ月間は他にもいろいろな用事や仕事を抱えていたため、実際に執筆に集中できたのは1ヶ月ちょっとでしたが、なんとか本文90ページ超の修士論文を書き上げることができました。

提出を終えたときは疲労と達成感で一杯でした。

 

 

そして10月からは、寝ても覚めても作曲、作曲、作曲…そんな毎日です。

 

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