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新たな世界に足を踏み入れる勇気(山縣 美季さん)12/1

山縣 美季さん/Ms. Miki Yamagata
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2023.12.15 ]

東京藝術大学

2023年度ロームミュージックファンデーション奨学生の山縣美季と申します。
昨年に引き続き、今年度も多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

 

今年度は、大学生活最後の年ということで、後悔のないように、来年度からまた新たなステップに進めるように、様々な挑戦をしてまいりました。

 

<ブレシアのセミナー最終日、教会にて、コンチェルトのコンサート>

 

 

まずは、これまであまり挑戦できていなかった海外のセミナーへの参加です。

イタリアのブレシアという、非常に歴史ある地で過ごした音楽漬けの日々は、充実した幸せな時間でした。

多くのことを学べたことはもちろん、「音楽は美しく、楽しい。」そんな当たり前の、それでも忘れがちなことを思い出させてくれた時間でした。

 

 

次に、新たなレパートリーへの挑戦も最近の大きなテーマの一つでした。

特にブラームスのピアノ協奏曲第2番が最も過酷な挑戦でした。

愛するこの作品に、いつかは取り組みたいと憧れながらも、今の私にはまだ早いのではないか、まだこの山に登りたくない、そう思ってしまうこともあるほど、私にとって高い山でした。

 

それでも、21歳という年齢でこの作品に向き合えることの幸せを実感しながら、ひたむきに取り組みました。

この大きな挑戦は、私を大きく変えてくれたと確信しています。

 

<私にとってのエベレスト、ブラームスのピアノ協奏曲2番への挑戦を終えて>

 

 

また、今年度は様々な方とのアンサンブルの機会に恵まれ、弦、管楽器とのデュオ、声楽、二台ピアノ、連弾、トリオ、カルテット、クインテットなど多くの作品に向き合うことができました。

素晴らしい音楽家の皆様に多くの刺激をいただく時間は至福でした。

そして1人では到底生み出せないようなエネルギーが生まれた瞬間の高揚感は、一生忘れることのないものとなりました。

 

 

殻に閉じこもったまま、新たな世界に足を踏み入れることを恐れていたら、絶対に見えていなかった景色を沢山見ることができた期間でした。

今後も、恐れずに、広い世界を見ていきたいです。