23/24シーズンの初めを振り返って(小倉 美春さん)1/29
小倉 美春さん/Ms. Miharu Ogura
(専攻楽器ピアノ/piano)
[ 2024.02.9 ]
フランクフルト音楽・舞台芸術大学 国家演奏家資格課程
ロームミュージックファンデーション奨学生の小倉美春です。
現在フランクフルト音楽・舞台芸術国家演奏家資格に在籍しております。
ローム様には日頃より多大なご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
<フランクフルトの夕日はいつも美しい>
師匠Florian Hölscherにのもとで勉強したいとフランクフルトに来て早5年。
最初の頃こそ音楽家としてどう生きていけば良いか途方に暮れていましたが、最近ようやく道筋が見えてきました。
演奏活動をするにあたって心掛けているのが、常に3つの軸を持つこと。
それは、ソロ・室内楽・オーケストラの一員であること、です。
ソロでは、9月にドイツ・ケルン近郊の街Bergisch Gladbachでソロリサイタルを行いました。
また、11月にはフランス・グルノーブルで行われたメシアン国際ピアノコンクールにて、第2位及びメシアン作品最優秀演奏賞をいただくことができました。
12月にはドイツ・フランクフルトにて、Steinway Förderpreisを受賞しました。
今年2月には自作自演を収録した2ndアルバム”Ogura Plays Ogura”がスウェーデンのレーベルThanatosisよりリリースされます。
室内楽は、学内で組んでいるトリオで経験を積ませていただいております。
9月にはフランクフルト植物園で野外コンサートを行ったのは良い経験となりました。
11月には、盟友Jonas Olssonさんとピアノデュオに深く取り組み、夢だったメシアン《アーメンの幻影》全曲を演奏しました。
オーケストラの一員としては、スウェーデン・ウメオにあるNorrlandsOperanのプロジェクトに参加させていただいたほか、今年2月の卒業試験に向けてベルク《室内協奏曲》に取り組んでいるところです。
ベルクはソリストでありながら、オーケストラの一員としてのスキルも求められる作品で、大変やりがいを感じています。
<メシアン国際ピアノコンクールで第2位及びメシアン作品最優秀演奏賞を受賞 ©AIDA>
作曲活動や企画制作にも精力的に取り組んでおります。
3月に録音されるラジオフランスからの委嘱作品《Exosomes》。
作曲にあたり、演奏してくださる打楽器の窪田翔さん、トロンボーンのJon Roskillyさんとのトライアウトを行ったり、ドイツのクロンベルクまでピッチのあるウッドブロックを探しにいったり、充実した制作期間になったと思います。
また、神奈川県立音楽堂様主催紅葉坂プロジェクトに企画「おんがくが『ぬ』とであふとき」が選出されました。
3月のワークインプログレスと7月の本公演に向けて、作曲や企画制作に日々向き合っております。
<2月発売の2ndアルバムとともに>
学業の傍ら様々な活動をすることは、体力的にも精神的にも挑戦ではありますが、ローム様のご支援のおかげで、前向きに頑張ることができます。
音楽面に限らず、キャリアへの考え方などに関しても状況に即したアドヴァイスをくださる師匠には、頭が上がりません。
関わってくださる全ての方に感謝しながら、これからも走り続けたいと思います。
2月3月には日本の皆さまの前で演奏・作品発表させていただく機会があります。
少しでも成長した姿をお見せできるように、精進して準備してまいります。