学生としての最後の年(山本 航司さん)3/1
山本 航司さん/Mr. Koji Yamamoto
(専攻楽器サキソフォン/saxophone)
[ 2024.03.8 ]
パリ国立高等音楽院
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の山本 航司です。
2023年9月より、私が学生としてサキソフォンを学ぶ最後の一年が始まりました。
<アドルフサックス国際コンクールにて ホストファミリーとピアニストとともに>
ここまではあっという間だった気もしますが、コロナ禍という幾分不自由な時間も過ごしましたので、普通より早くここまできてしまったような気もします。
今年度はまず11月にアドルフサックス国際コンクールへ参加することから始まりました。
このコンクールは4年に1度しかなく、世界中のサキソフォニストが一斉に挑戦するため、世界一権威のあるコンクールと言えます。
そのコンクールのために半年以上かけて準備してまいりました。
すべての時間と精力を費やしましたが残念ながら本選まで届かず、悔しい結果となりました。
改めてそのような大きな舞台で気付かされたのは、演奏に強い自分の意思、個性を持つことでした。
ファイナリストたちは皆実力と強い個性を持ち合わせた人ばかり。
自分に足りないのはこれだ、と実感しました。
私はその壁を乗り越えるべく、今年度から新たに即興科へ入学することができました。
この科には個性を持っている人しかいません。
日々彼らの存在感とそのアイデアの豊かさに圧倒されていますが、その中でだんだん自分の考えていることや感じていることを想いのまま出すことに躊躇いがなくなってきたように感じます。
もっともっと尖る、自信を持つ、ということを考えてこれからを過ごしたいです。
<サキソフォンクラスにて 1月恒例のガレット・デ・ロワ会で当たりを引きました>
最近の出来事としては、マスターを修了するにあたり、必ず執筆しなければならない論文に取り掛かっております。
もちろん英語ではなくフランス語で書かなければいけません。
テーマは夏田昌和さんのサキソフォンの曲のアナリーズです。
また、ご縁があり新たにサクソフォンカルテットに加入することになりました。
初めてのテナーサクソフォンなのですが、なかなか慣れるまでに時間がかかり、悪戦苦闘しております。
しかし、仲間と一つの音楽を共有する喜びは、やはり特別なものがあると再認識したところです。