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人に恵まれ出会いに揉まれて(谷口 知聡さん)3/5

谷口 知聡さん/Ms. Chisato Taniguchi
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2024.03.15 ]

パリ国立高等音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の谷口 知聡です。

現在、パリ国立高等音楽院第二課程室内楽科に在籍しています。

 

<フランス、アンボワーズでのリサイタル ©Mary Laure Jolibois>

 

 

室内楽科では、2台ピアノと2人のパーカッショニストのための作品に取り組みながら年度末試験の準備をしています。

ピアノ・デュオとして広く活躍されているアルチュール・アンセル氏とリュドミラ・ベルリンスカヤ氏によるアカデミー「Académie Piano-Piano」にも参加しており、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ氏、クリスチャン・イヴァルディ氏、アンドレアス・グロートホイゼン氏のレッスンを受講する機会に恵まれました。

今まで学ぶ機会の少なかったシューベルトの四手にも取り組み、誠実に基本を学び続ける大切さを強く感じています。

 

<スイス、グシュタードのチャペルでのリハーサル>

 

 

ソロの活動では、まず昨年9月イタリアのクリストフォーリ国際ピアノ音楽祭でペトラルカを題材としたリサイタルをさせて頂き、詩の朗読との共演や権代敦彦さんの新作初演を致しました。

10月からはフランスのサントル=ヴァル・ド・ロワール地方3都市でリサイタルとマスタークラスをさせて頂き、最終回のアンボワーズでは多くの方がお越しくださり音楽を共有する幸せを心から実感する本番となりました。

 

東京でも11月のリサイタルのために三善晃のピアノ作品に取り組む機会を頂き、悩み苦しむことも多くありましたが沢山の方に助けて頂きました。

 

<アンボワーズに遠くから駆けつけてくださった御世話になっている方々と>

 

 

2024年最初のリサイタルはスイスのグシュタード、ピアノ弾きとしてやっていくことの厳しさを痛感する機会となり気の引き締まる年明けとなりましたが、昔からの課題に正面から向き合わなければならないタイミングなのだと思います。

 

最後になりましたが、いつも貴重な御力添えを頂き本当にありがとうございます。

演奏に集中できる環境にあることは奇跡のようで、この御助力に心から感謝すると共に良い御報告ができるようこれからも一心に精進してまいります。

 

<パリからスイスに向かう車窓>