音楽家としてさまざまなステージや経験を通して(大井 駿さん)3/13
大井 駿さん/Mr. Shun Oi
(専攻楽器指揮/conductor)
[ 2024.03.22 ]
ザルツブルク・モーツァルテウム大学大学院指揮科ポスト・グラデュエート課程
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の大井 駿です。
いつも多大なご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
<ショパン国際ピリオド楽器コンクールにて©︎NIFC>
私は、指揮科学生として2015年からザルツブルク・モーツァルテウム大学にて指揮を学び、現在は同大学大学院ポスト・グラデュエート課程で更なる勉学に励んでいる傍ら、ピアノ科学生としても大学院ソリスト課程にて勉強しております。
このような経緯に加え、古楽器を勉強したことも重なり、2023年10月にポーランドのワルシャワで行われたショパン国際ピリオド楽器コンクールに出場する機会を得ました。
準備として、ショパンの奏法に少しでも近づくために、彼が読んでいた教本を片っ端から読んで実践し、ショパンの生活体験に少しでも近づくために電子機器を限りなく排除し、しばらくは無音の空間にロウソクのみで生活しました。
<ロウソクでの生活。意外と明るいです。>
楽譜を読み込み、練習に励むことは当たり前のことですが、ここまでの生活をしたことはありませんでした。
ただ、一方的な感覚ではありますが、過去に書かれた音楽を演奏する上で、練習や勉強以外の大切な部分を体験し、これまでよりも更に少し作曲家と繋がれた気持ちになりました。
<都響との演奏会の下調べとして向かったスコットランド、フィンガルの洞窟>
指揮者としては、11月には広島交響楽団、そして2月には東京都交響楽団の皆様と演奏会を行いました。
もちろん指揮者としての課題は山積ですし、これが無になることはあり得ませんが、このような演奏会を通して経験したことや、大学で受ける指導を通して、目の前の音楽家の皆様との理想的な関係を築き、お客様とも一体となれる演奏へ導ける指揮者、もとい音楽家を目指して参ります。
そして2月の終わりに、修論として約100ページの学術論文をモーツァルテウム大学に提出いたしました。
演奏活動をしながら論文を書くことは、資料の入手は大変でしたが思ったよりも難しくなく、日頃の思考や学びを反映させた一つの結果として書くことができました。
アカデミアとアートの両立を目指してこれからも励んで参ります。
<2月の都響との演奏会>